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高血圧とは?

高血圧は、血管にかかる圧力(血圧)が常に高い状態が続く疾患です。日本人の約4人に1人が該当する身近な病気ですが、自覚症状はほとんど現れません。健康診断で高血圧を指摘されても、そのまま放置されている方も多いのではないでしょうか?しかし、高血圧の放置には重篤な合併症を招くリスクがあり、最悪の場合は突然死する可能性すらあります。
当院では、患者様ご自身に病気への理解を深めていただくことを大切にしています。血圧の状況を丁寧に評価し、どのような影響があるのかを分かりやすく説明することで、無理のない治療へとつなげます。
健康診断で血圧が高いと指摘された方、ご家族に高血圧の方がいる場合は、お早めにご相談ください。
症状
高血圧の多くは自覚症状がありません。進行すると頭痛、めまい、肩こり、動悸、息切れなどが現れることがありますが、他の疾患でも起こり得る症状のため、見過ごされがちです。
しかし、重症化すると合併症によって激しい頭痛や吐き気、視力障害、胸痛などが現れることがあります。これらの症状が急に現れた場合は、緊急性が高いため速やかに医療機関を受診する必要があります。
合併症
高血圧は血管へ大きな負担をかけ、動脈硬化を促進します。動脈硬化が進むと正常な血液の流れが滞り、全身に様々な影響を及ぼします。将来的に心筋梗塞や狭心症などの心疾患、脳梗塞や脳出血などの脳血管疾患といった重篤な病気のリスクが高まる点には、特に注意が必要です。
高血圧の原因と種類
高血圧の約9割は本態性高血圧と呼ばれ、明確な原因が特定できないタイプです。遺伝的要因に加え、塩分の摂り過ぎ、肥満、運動不足、ストレス、喫煙、過度の飲酒などの生活習慣が複合的に関与しています。
残りの約1割は二次性高血圧と呼ばれるタイプで、腎臓病や内分泌疾患、薬剤の副作用などが原因となります。この場合は原因となる疾患の治療により血圧の改善が期待できます。
高血圧の検査
高血圧の診断では血圧測定が基本となります。血圧は様々な要因で常に変動するため、複数回の測定を行います。
高血圧の診断基準
一般的に血圧140/90mmHg以上が続けば高血圧と診断します。ただし、正常の範囲内でも高値であれば、健康上のリスクが存在します。140/90mmHg未満でも油断しないようにしましょう。
分類 | 収縮期血圧=上の血圧(mmHg) | 拡張期血圧=下の血圧(mmHg) |
---|---|---|
至適血圧 | 120未満 | 80未満 |
正常血圧 | 130未満 | 85未満 |
正常高値血圧 | 130~139 | 85~89 |
Ⅰ度高血圧 | 140~159 | 90~99 |
Ⅱ度高血圧 | 160~179 | 100~109 |
Ⅲ度高血圧 | 180以上 | 110以上 |
※診察室で測定した場合の数値です(診察室血圧)
高血圧の治療
当院では、血圧の数値や患者様の状態を慎重に見極めて治療方針を決定します。よほど高い数値でない限り、まずは生活習慣の改善を行い、徐々に正常な血圧へと戻していきます。患者様ご自身で血圧を改善していただくことを重視し、実践可能な方法を一緒に考えます。
生活習慣の改善
以下を数週間実践していただき、その後再評価を行います。高血圧の症状や動脈硬化の進行度によって適切なアプローチは異なりますので、患者様お一人おひとりに合わせたアドバイスを行います。
- 塩分制限(1日6g未満を目安)
- カリウムを多く含む野菜・果物の積極的な摂取
- DASH食(野菜、果物、低脂肪乳製品中心の食事)
- 禁煙・節酒
- 適正カロリーの維持 など
薬物療法
生活習慣の改善だけでは目標血圧に達しない場合や、血圧が著しく高い場合には降圧薬による治療を開始します。緊急性が高い場合には、速やかに専門医療機関への紹介も行い、安全性を最優先に治療を進めます。